鍼灸治療で食べていくために大切な「目線」
2018-03-02
和魂漢才鍼灸の濱田です。
先月2月18日に和魂漢才鍼灸セミナー中級コースを開催しました。
和魂漢才鍼灸では、
治療技術はもちろんのこと、鍼灸治療で食べていく方法、
言い換えれば、鍼灸師を生業(なりわい)にするための方法を、講師の実際の経験を踏まえて、お伝えさせていただいています。
僕自身、1年半前に鍼灸院を開業しました。
その中で、今の時代、治療技術を学ぶだけでは食べていくことは難しいと改めて感じています。
開業前に和魂漢才鍼灸セミナーで、治療技術を活用して、どうやって患者さんに来てもらえるようにするのか?など、治療技術以外のことも教えていただいたからこそ、開業して、一度も赤字を出すことなく、安定して経営ができていると感じています。
その結果、治療に集中して楽しく毎日が送れていますね(^^)
ですので、
和魂漢才鍼灸では全てのクラスで、治療技術だけでなくその活用方法、患者さんへの伝え方、情報発信方法まで必ずお伝えするようにしています。
そういった経験を踏まえて、
今回のセミナーでも治療技術にプラスして、鍼灸師として食べていくために“大切な目線”についてご紹介しました。
まず、午前中は治療技術について。
治療する上で大切な診察方法をお伝えさせていただきました。
「六経」という、病(身体の不調とも言えます)の深さを診る方法について復習。
前回の記事でも紹介しましたが、
ヒトの身体を治療する際は、「深さ」という概念を意識することがとても大切です。
西洋医学で例えると、膝の痛みという症状。
膝の痛みと言っても、
膝の関節に問題があるのか?
膝の周りの筋肉に問題があるのか?
この二つは「深さ」が全く違いますね。
膝の関節まで悪くなっていると、身体の深いところまで、悪くなっている。
膝の周りの筋肉が悪い場合は、関節と比べると、身体の浅いところが悪い。
関節と筋肉では深さが全く違うため、治療法ももちろん異なってきます。
そして、治療をする際に治るスピードも当然、異なります。
深い不調の方が時間がかかり、浅い不調の方が、比較的早く治ります。
そういった深さの概念を考えて治療することで、 悪いところにきっちりと治療ができるようになります。
また、治療して治るスピードというのもある程度、予想ができるようになりますね。
東洋医学の治療も同じく、
こういった病(不調)の深さを意識することで、治療効果が全く違ってくると僕は感じています。
例えば、頭痛の患者さん。
頭痛と言っても、患者さんによって様々な症状を訴えられます。
・後頭部が痛い…
・目の奥が痛くて。吐き気がする…
・耳の後ろがズキズキ痛み、痛み止めを飲んでも治らない…
などなど、本当に様々な症状を訴えられます。
もちろん、訴えられる症状が出ている“局所に治療”することも大切です。
それで症状が治れば、一先ず治療できたとも言えると思います。
しかし、
局所に治療しても改善されない頭痛も多くありますし、
その時は症状が治っても、すぐに元に戻ってしまうこともあります。
その際に大切なのが、病(不調)の深さを正確に診ることになります。
同じ頭痛と言っても、頭痛にも深さがあり、その深さを診察、診断して、治療する経穴を変えるだけで治療効果が劇的に変化します。
また、深さを考えて治療することで、
この患者さんの頭痛は一回で改善できる
この患者さんは、何回かチャンスをもらわないと完全には改善できないかな…
などの判断もできるようになりました。
今回は頭痛をメインにご紹介しましたが、
六経の病の深さが理解できるようになると、発熱、咳などの風邪治療から肩こり、腰痛などの整形外科疾患などにも応用が可能になります。
その六経の具体的な診察方法をご紹介して、みんなで練習しました。
午後からは、今日のメインテーマ
「鍼灸治療で食べていくために大切な目線」についてお話しさせていただきました。
鍼灸師として、治療技術を高めることは当然になります。
これは一生勉強していくことが必要だとも言えますね。
そういった中で、
治療技術を高めることだけに注視するのは、今の時代は危険な部分があると感じています。
鍼灸師の数はもちろん、整体院、マッサージ店などのライバルがとても増えています。
その中で、鍼灸治療を選んでもらうための「工夫」というものも大切になってきています。
選んでもらうために、新しいアイデアや伝え方、切り口、自分の治療院の目立たせ方などを考えることが大切です。
これらは【起業家目線】と呼ばれます。
起業家とは自ら事業を起こす人を指します。
勤めている際も、鍼灸治療を受けてもらうためにどうすればよいのか?
自ら事業を起こしているつもりで考えて、工夫して、情報発信や行動していくことがとても重要になりますね。
また、いざ開業すると自分の治療院なので、自分で考えて工夫していくしかありません。
そういった“起業家目線”を持つことの大切さをお伝えさせていただきました。
といっても、
なかなかイメージしにくいので、僕が行っていた”企業家目線”を持つための、ちょっとした訓練方法をお伝えしました。
先程も述べましたが、鍼灸師として治療技術を高めることは当然になります。
これは一生勉強していくことが必要だとも言えますね。
これは”職人目線”といい、
なにか一つを深く追及していくことなので、鍼灸師にとって、とても大事な目線になります。
ただこの職人目線だけになってしまうと、自己満足だけの治療にもなり兼ねないので、注意が必要です。
また、いくら治療技術が高くても患者さんが来てくれなかったら、その力を発揮する機会がありません。
“起業家目線”と”職人目線”
このバランスを意識することの大切さをお伝えさせていただきました。
最後に、今年一年間、お伝えした診察方法を復習しながら、実技練習をおこないました。
ここで、セミナー終了時にいただいたアンケートをご紹介します。
【訪問鍼灸勤務S先生】
六経のうちの陽経の3つが頭の中で整理が出来ました。
脈診は使いやすそうなので明日からさっそくやってみます!
【鍼灸整骨院開業T先生】
企業家目線、職人目線、あらためて勉強になりました。
他の業種をちょっと意識してみると見えてくるものがありそうなので、明日から注意してみてみます。
【鍼灸院勤務N先生】
診察方法をまとめて書いてもらえると、頭の中が整理できました。
習った診察法をちゃんと全部使えていないので、少しずつ取り入れていきます。
以上の様な嬉しいお声をいただきました。
今日、ご紹介した六経という身体の深さの診察法
そして、それ以外に今年のセミナーでお伝えした診察法を全部合わせると、8種類になります。
初めは診察法の種類が多いと大変に感じてしまいますが、多くの診察方法を知っていると、患者さんを目の前にして、悩んでしまった時の“引き出し”としても有効になります。
いきなり全部を使いこなせずとも、少しずつ診る意識を持つだけで、治療は変わってきます。
焦らずじっくりと学んでいきましょう(^^)/
濱田貴之
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