三寒四温は往来寒熱
2012-04-12
皆さん、こんにちは!
和魂漢才鍼灸の足立繁久です。
三寒四温という言葉があります。
昔の人はうまいこと言ったもんです。
気候の大きな変化の狭間にあるのが三寒四温。
これはまさに自然界の往来寒熱。
陰陽の狭間にある少陽の季節ならではの現象です。
このようにして考えると・・・
体調面・症状にもあてはめることができます。
・食欲にムラ(波)がある。
・感情の起伏が激しい(よく見られるのが易怒、もしくは子どもの感情)
これもひとつの少陽・木の現象だと思うのですね。
『難経』七難にある少陽の脈もこんなですね。
『少陽の脈、乍(たちまち)小、乍大、乍短乍長。』
(ちなみに…七難の少陽=春というわけではありません)
この話を日常的なできごとに目を向けると・・・
⇒偏食がひどく、一度に大量に食べてしまう
(袋菓子などの一気食いなど…)
⇒ストレスによる過食
⇒妊娠期の偏食
⇒成長期における好き嫌い・偏食
・・・など広い目でみれば、少陽にかかわることに相当すると考えられます。
このように書いてみたところで、なんてことないハナシですが(^^;)
◆では、もうひとつ考えてみましょう(^^)
これらの現象はなんのために起こっているのか?
三寒四温や春一番、春雷は、何を目的にして自然界で起こっているのか?
(なぜ自然が起こしているのか?)
偏食や食のムラはなぜ起こるのか?
それを考えると、病理や治療法も見えてくるのだと思います。
例えば、治療法
実を瀉し、虚を補う…
と、鍼灸師ならよくイメージすることですが
では、補瀉を行って波を起こさせないようにすることが
本当に必要なことなのか?
端的に言えば『三寒四温を起こさせないことが目的なのか?』
こういった考えも大切だと思います。
治療では『波を抑える⇒症状を抑える』という視点でイメージしがちです。
ですが、波が平坦になってしまうのは決して良いことではありません。
三寒四温が起こらないと、それはそれで異常気象ですからね。
ならば、鍼灸治療ではどう使うのか?
補でもなく、瀉でもなく…
それとは違った視点での治法も選択肢に入れるべきだと思いました。
これもやっぱり『素問』に書いてあることなのですが…
先人の智恵はやはりスゴイです。
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