【侠白穴】和魂漢才鍼灸メルマガvol.12
2013-02-07
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◇◇ 和魂漢才鍼灸 鍼灸治療のツボ ◇◇
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皆さん、こんにちは!
和魂漢才鍼灸の足立繁久です。
先月のツボは天府穴。
けっこう個性的な主治病症を持つ経穴でしたね。
さて、今回の一穴は【侠白穴】です。
■ 十四経脈気所発篇 手太陰肺経穴歌
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侠白(鍼三分、灸五壮)
心痛、短気、乾嘔、煩満を治す。
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今回の主治病症はシンプルに4つ。
1、心痛…心の痛み。
2、短気…これは呼吸が早くなり、息切れ起こす症状。
3、乾嘔…嘔吐するまでに至らず“からえずき”を起こすことです。
『オエッ!』と言うもの、吐かない状態です。
4、煩満…胸が詰まったような感覚があり、胸苦しさを覚えます。
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さて、ここからは個人的な見解です。
前回のメルマガにも書いたことでもありますが…
上の症状すべては虚実に分類できます。
また、陰陽虚実だけでなく、五行的な視点においても、
病因病理を判断する必要があります。
たとえば侠白穴の病症を一つ挙げると…
心痛は“心の痛み”です。
でも、心臓の痛みを起こしているからといって、
そのまま侠白穴を使うわけではありません。
★心痛の原因を考える必要があるのです。
心痛の病因として一つ挙げると…
心胸部の気の流れが渋滞し、詰まることで心痛を起こすケースがあります。
この場合、心胸部の気の流れをスムーズにしてあげることが優先されます。
こういった場合にも侠白穴は使えるでしょう。
(※このパターンはあくまでも一つの例です)
★では、なぜ心痛に肺の経穴が使えるかについて考えてみましょう。
“肺は相傅の官”(『素問』霊蘭秘典論第八)
こんな言葉があります。
相傅(そうふ)とは、補佐し助けることを意味します。
誰を助けるのかといえば、君主である“心”を助けるのですね。
このことは西洋医学的にも“心肺機能”という言葉があるようにイメージしやすいと思います。
心臓のポンプ作用で血液を全身に巡らせるのですが、
肺の呼吸活動が無ければ、血液を巡らせてもその目的は果たせません。
心と肺の両方の機能が合わさってこその心肺機能なのです。
◆東洋医学風に表現しなおすと・・・
肺は気を主り、心は血を主ります。
気の動き(エネルギー)が無ければ、血液それだけでは動きません。
また、東洋医学では肺を“ふいご”のようなものだと例えられています。
“ふいご”とは“空気”を送って“火”の燃焼の勢いを強める機能を持つ器具です。
なかなかウマい譬えですね。
なので心胸部の気血の巡りを改善するのに肺の機能を高める肺経の経穴を使うこもOKなのですね♪
参考資料『十四経和語鈔』
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前号【天府穴】← ・ →次号【尺沢穴】
編集:足立繁久(和魂漢才鍼灸 講師)
発行:和魂漢才鍼灸
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