口中の感覚異常 【鍼灸医案シリーズvol.5】

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口中の感覚異常 【鍼灸医案シリーズvol.5】

2013-07-05

鍼灸医案シリーズvol.5
【簡単治療報告 口中の感覚異常】2012.08.18

【主訴】
全体的に調子は上向きだが…
味覚・口の中の感覚?がおかしい…

【経過】(この日で5診目)

もともと、疲れ・消耗のひどい育児ママのYさん。
常に倦怠疲労感、及び寝ても寝ても睡眠不足感。
(娘さんもチック症を患い、親子で治療中)
心身ともに疲弊気味であった。

治療開始当初は、頭痛、眼痛がひどく服薬しても治まらない程だったのが、
今では服薬なしでもOKなようになる。

その痛みも時折り発症する程度となる。

そしてこの日、口の渇きはどうですか?と質問したところ。

『そういえば…』と、本日新しい症状を報告。

『口の味覚がおかしい』とのこと。

それに気づいて口をゆすいだり、歯磨きするも、じきに元通りになるという。

味覚障害とも判断されがちであるが、これを“口苦”の一種と判断。

【所見】

◆脈証
左右脈俱に内弦。

【証立て】
宿:腎虚
本:木旺が過ぎることにより土が乗じられるパターン

【治穴】
右公孫
右丘墟
右合谷ー太衝
両照海

ここで、脈は全体に浮でかたい脈。
少陽位から一層 表位に浮き出たと判断。

右申脈ー後渓(ベタですが ^^;)でOK。

背部の治療も以上の配穴の証に倣う。

【考証】
最初に思い浮かんだのが、傷寒論太陽病中篇の条文
ー傷寒、陽脈濇、陰脈弦、法當腹中急痛。不差者、小柴胡湯主之。

三陰俱に弦脈であり、腹中急痛こそみられないが
陰に拘急する方向性にある状態と考えられる。

まずは陰に向かう急状態(三陰俱に弦)を緩めて後、
口苦という症状を解するべきと判断。

☞但し、ベース(宿)は脾虚腎虚を持っているため、
単純にいってしまうと木旺になると簡単に
『木剋土』や『木旺水虚』の状態に陥りやすい状態。

今回、見当をつけたのは、
夫の木が旺盛となりすぎ、相方(妻)の脾土が弱ってしまった(または弱りつつある)状態。

故に脾土を助けることを優先する。(⇒右公孫)

少陽木旺の設定としているので、甲木少陽胆をチョイス。(⇒右丘墟)

また、全体に浮脈・表・上部に偏っているので

少陽木のみならず、木全体に亢ぶりを抑えつつ、上下の交流を促進する。(⇒合谷ー太衝)

ベタに金剋木的な配穴であるが(甲木or乙木という見かたでは“ぼかした配穴”ともいえる…)

また、『難経』三十三難的にみると、金木を動かすことで
水・火の上下をめぐらすことにつながる。

口中に鬱する火熱を消すのではなく、めぐらして小さくするイメージ。

合谷を使うことは、表・上の気に対するアプローチでもある。

あとは、宿に対する腎虚へのアプローチを補足(⇒照海)

最終的には桂枝湯証っぽく、まだなんとなく表に残る停滞を動かし一件落着か?

・・・と、考察できる治療例でした。

あ、もちろん、その後の主訴は自覚せずです。



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