肺経の孔郄 孔最 和魂漢才鍼灸メルマガ vol.14
2013-05-17
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◇◇ 和魂漢才鍼灸 鍼灸治療のツボ ◇◇
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2013.05.10
皆さん、こんにちは!
和魂漢才鍼灸の足立繁久です。
G.W.も終わり、日常に戻りましたね。
G.W.中はしっかり英気を養うことができたでしょうか?
先生方によっては、セミナーに参加してスキルアップされた方も少なくないと思います。
さて、メルマガでもがんばって知識を磨いていきましょう!
今回のメルマガは手太陰肺経の孔最穴です。
『十四経発揮』巻中 十四経脈気所発篇
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■手太陰肺経穴歌
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孔最(鍼三分 灸五壮)
熱病汗出ず、咳逆、
肘臂厥痛、屈伸難、吐血、
失音、咽腫、頭痛を主る。
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■1、熱病汗出ず。
この状態はキツイですね。
健全?な熱病は、熱を体外に発します。
“発熱”という言葉の通りです。
汗をかいて放熱・発散することで
熱病は軽快・治癒へと向かいます。
しかし、汗が出ないと熱は体外に発することができず
熱は体内に鬱してしまいます。
発熱ではなく“鬱熱”ですね。
この鬱熱状態を孔最穴を使うことで解除!という作用を示唆しています。
■2、咳逆
(私見ですが)咳が出る病理のひとつは、
肺に熱が鬱してしまい、
肺が主る皮毛エリアの気機が停滞してしまうことから始まります。
簡単に言うと皮膚呼吸が機能しなくなるのです。
皮膚と肺系(気道)の関係は、袋(ふくろ)のようなもの。
健康な状態は、布袋(ぬのぶくろ)のような状態です。
しかし、汗をかくことができない熱病の状態は、ビニール袋のような状態。
布と違い、ビニールは空気を通さないので、
袋の口(ここが気道にあたる)から一気に空気がでます。
この一気に空気が出る状態が“咳嗽”です。
正常の気の流れと異なり、逆行してしまうので、
“咳逆”と命名されているのです。
■3、肘臂厥痛・屈伸難
これは肘・上腕の“気の流行”が正常に行われず、
痛みを起こしてしまう症状です。
気には皮膚・肌・筋肉などの組織を“温め”、“栄養を補給”する作用があります。
温煦作用などがこれにあたりますね。
筋肉レベルでこれが起これば、
肘関節をスムーズに動かすことができず、屈伸することが困難となります。
■4、吐血
血症状は天府穴にも登場しました。
“血、鼻口に溢れて止まず”でしたね。
しかし、孔最の主治症に登場する血症状は吐血。
先ほどの咳逆という症候名と合わせて考えてみると…
単に出血する…という症状ではなく、
“逆流”という方向性が共通点として考えられます。
気の流れが正常に行われずに起こす症状…。
その中でも“逆”という方向性に動く症状。
2,3,4の症状を見てみると・・・
孔最穴の主治病症の共通点をこんな風に捉えることができそうです。
このようにみてみると【失音・咽腫・頭痛】の病理も
“逆流”の方向性を考慮に入れてると、考察が広がるかもしれませんね。
ということで、今日はここまで(^^)
【 あとがき 】
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主な参考資料『十四経和語鈔』
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編集:足立繁久(和魂漢才鍼灸 講師)
発行:和魂漢才鍼灸
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