様々な症状を訴える患者さん。そこから必要な情報のみをうまく導く方法とは!【和魂漢才鍼灸】上級10月レポートです
こんにちは。
和魂漢才鍼灸の岡井志帆です。
10月上級コースが開催されました。
今回のテーマは、『八條目』です。
「古訓医伝」医学警悟一 から学びました。
『八條目』とは、宿、因、本、宿、病、診、證、名、治、を言います。
宿とは、その人の生まれもったもの。
因とは、病の始め。
本とは、宿と因とを相合して病気となるときの、主となる病の根本。
病とは、患者が訴える苦悩するところのもの。
ここまでが、医者にまだかかっていないところのものです。
診とは、医者が病者を診察して弁別する方法です。脉や望診をして伺います。
四診は、望聞問切診です。ここでは、臭いもいれて五診と書かれています。
證とは、証明する事です。病状を診て、五診をもって明らかにします。
名とは、本と證をてらして、治術の助けとなる名をつけることです。
治とは、治療方法です。
患者さんは、様々な症状を訴えます。
過去の病歴、いまの状態、情報がごちゃ混ぜです。
それを、分けて考えていくのに、この『八條目』の考え方はとても有効です。
例えば、数日前に寒気を感じ、身体中に痛みや不快感がある。しかし、よくよくお話を伺うと、既に病は進み、いまは往来寒熱になっている。
寒気だから太陽病と判断して治療しても、スッキリ治らないのは当たり前ですね。
この場合、因は寒気。太陽病からはじまっていますが、本は少陽病。往来寒熱のおこる少陽の部位に移動しています。治療するなら、ここを狙います。
また、その為に、五診をして証拠を集める必要があります。「間違いない!」となれば、少陽病として治療がはじまります。小柴胡湯を飲んだり鍼灸をしたりということになりますね。
また、その三日後に治療に来られたとします。
すると、「三日前に小柴胡湯を飲んだ」が因となります。
また、投与後の症状の変化を聞き、五診をし、證を立て直して治療となります。證も変われば、名もかわり、治療法も変わるでしょう。
こうして治療は進めていきます。
患者さんの訴える症状を上手に生理して考えていけば、どこに本があるかを見つける事が出来ます。
少しずつ、チャレンジしていきましょうね。
では、11月も元気にお会いできることを楽しみにしています!
和魂漢才鍼灸
岡井志帆